師走の吉野山 その3(奥の千本)
本日3つ目の記事です。その1その2に続けてお読み下さい。
さて歩くのにも疲れてきた頃、金峯神社に到着。吉野駅からここまで8km弱の登り道です。さすがに年末にここまで来ている人は見かけませんでした。
神社の境内を過ぎてさらに登り道を山の中に入り、道標で「せっかく登ったのに勿体ないな・・」と思いつつ谷間に下りていくと苔清水といわれるところに出ます。
とくとくと落つる岩間の苔清水 汲みほすほどもなき住居かな
後年ここを訪れた芭蕉も
露とくとく 試に浮世 すすがばや
春雨の 木下に伝ふ 清水かな
と詠んでいます。芭蕉翁もこの地に来たのかと思うと、感無量になりますね。
もちろん西行が住んでいた建物ではありませんが、山中の奥深くにありながら、樹々の合間をぬって日射しが降り注いでいます。西行といえば、
願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの もち月のころ
が有名ですね。
庵が建っているのは急斜面の谷間にある貴重な平坦地ですので、もともとは寺院か何かの跡だったんでしょうね。明治維新の廃仏毀釈後、このあたり一帯は大きなダメージを受けたそうです。
西行庵でしばしの日向ぼっこの後、最終目的地である青根ヶ峰に向かいます。
この道は山上ヶ岳に続く奥がけの道ですから、途中から女性は入山できません。いわゆる女人結界があります。
修学旅行の登山でも、男子は山上ヶ岳、女子は結界のない稲村ヶ岳に分かれる学校もあると聞きました。
吉野駅から青根ヶ峰までは標高差700m、約3時間の行程とみていいでしょうね。ただし頂上は樹木で覆われているため、眺望はききません。
山上ヶ岳の方に少し歩けば伐採されている斜面がありますが、そこからだと高野山方面が望めます。
奥がけの道ですが、学生時代に青根ヶ峰~山上ヶ岳と山上ヶ岳~弥山を歩いていますので、一度弥山から前鬼方面に歩いてみたいものです。西行は2度ほど踏破したらしいですが。
帰りは古典で学んだ「象の小川」を経て宮滝に下山する山道をとろうと思ったのですが、すでに3時を回り、途中で日が落ちることになる心配があったので、来た道を引き返すことにしました。
案の定、下千本の七曲がりあたりで、陽が沈もうとしました。街灯のない山道ですから、駅まで急ぎ足で駆け下りていきました。
下調べ不十分で目的地が変わりましたが、充実した一日でした。桜の花が舞うお茶碗と、お店で包んでくれた柿の葉寿司のお土産を手に電車の人となり、ほとんど人のいない車両内で祝杯をあげました。
これで今年の日記は終了です。西行がさいぎょになりました。![]()
皆さん、よいお年をお迎え下さいませ。
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